キク科じゃないのにキクを名乗る【マツバギク】の品種・育て方の総チェック!

Last Updated on 2023年5月13日 by Taichi

細くて赤い花びらが美しい

つい先日、街角で見つけたマツバギク

近所のマツバギク。グランドカバーとして優秀

近所のマツバギク。グランドカバーとして優秀

こちらは、新大阪駅の敷地内。

マツバギク

マツバギク

こうして眺めてみると、鮮やかな紅い花が小さな花火のようで美しい。
癒されます…

キク科じゃないのにキクを名乗る

このマツバギク、「キク」を名乗っているが、正確にはキク科ではないのです。
もちろん、マツでもありません。

マツバギクはハマミズナ科で、南アフリカ原産なのです。

マツバギクという名前は、明治の頃に日本に入ってきた時に「見た目」でつけられた名前のようですね。

花は一見キクにも似ている。花弁は細いものが多数並ぶ。花弁が紫色で、やや光沢がある。朝に花が開き、夕方に花が閉じる。春から夏にかけ、長期間開花を繰り返す。Wikipedia

まぁ、こんな「嘘つきネーミング」もこうやってブログの話題になるということなら
そう悪くはないのかも。

【マツバギク】とは

学 名:Lampranthus spectabilis
和 名:マツバギク(松葉菊)
英 名:iceplants(アイスプラント),Fig marigold
別 名:サボテンギク(仙人掌菊)
科・属:ハマミズナ科マツバギク属(ランプランサス属、デロスペルマ属)
原産地:南アフリカ
草 丈:10~100cm
開花期:4~6月
花の大きさ:2cm~5cm(大輪種:4cm~5cm)
耐寒性:〇
耐暑性:〇
耐陰性:△
特徴・草姿・花言葉
キクを名乗ってはいるが多肉植物の多年草。7月1日の誕生花。
花言葉は「心広い愛情」「忍耐」「勲功」などです。

【マツバギク】の品種・種類

〇ランプランサス属
ランプランサス属には180種ほどがあります。苗の流通が多いのは花色が豊富な交配種のスペクタビリス種(L. spectabilis)です。これは春咲きの半耐寒性常緑種で、低木状に育ちます。
〇デロスペルマ属(Delosperma)
デロスペルマ属の一種クーペリー(D. cooperi)が、這い性で開花期間が長く6月~10月に濃い桃色の花を咲かせ、古くから土手など法面緑化に広く利用されています。-15℃でも越冬するので「耐寒マツバギク」と呼ばれ、「レイコウ(麗晃)」「花嵐山(はならんざん)」などの名前で出回ります。デロスペルマ属には春咲きの黄花種などもあり、品種の育成が進められ、最近は「砂漠の宝石」の名前で各色が流通しています。




【マツバギク】の育て方

環境

日当たりの良い場所で乾燥気味に育てます。

用土

マツバギクは、水はけが良くて乾燥気味の砂質土壌を好みます。
鉢植えの場合、赤玉土(小粒)5:腐葉土3:川砂2の割合で混ぜた土推奨。
マツバギクは酸性土壌を嫌いますので、マツバギクを地植えにする場合はあらかじめ苦土石灰を混ぜ込んでおきます。

水やり

マツバギクは多肉植物の部類に入り乾燥に強いので、水やりにはさほど神経質になる必要はありません。土の表面が乾いて1~2日後くらいに水をやればよいです。冬はあまり乾燥しないうえにマツバギク自体もあまり水を吸わないので、水やりの回数は減らして土の表面が乾いて3~4日後に与えると良いでしょう。

肥料

マツバギクは肥料もさほど必要ありません。やせ地でもよく育ちます。春~秋にかけて月1回程度、液体肥料を与えれば充分です。

植え付け・植え替え

マツバギクの植え替え、植え付けの適期は春4月~5月、秋9月中旬~10月上旬です。

剪定

ランプランサス属は、開花後の6月に刈り込みを行い、草丈や株の大きさを調整します。
老化して生育が悪くなった株は、さし芽をして更新します。
デロスペルマ属は地面を這うように広がるので、不要な部分は切り戻します。

病害虫

春先からアブラムシ、高温で乾燥する環境ではハダニが発生することがあります。見つけ次第駆除します。

増やし方

マツバギクは挿し芽でふやすことができます。
挿し芽は秋9月~10月頃が適期です。春も特に問題ありませんが秋に挿す方が株姿が整いやすいです。
茎を5~6cmの長さに切り、土に挿す部分の下葉を落として2cmくらいの深さに挿します。
しばらく明るい日陰で管理すると1ヶ月くらいで根が出ますので、日当たりに移動させます。
茎が伸びてきたら先端を切り落としワキから芽を出させるようにする(摘芯)と分枝されボリュームのある姿になります。

キクじゃないキクは色々ありそうですね~

そういえば、ずっと手入れして見守っている【シュウメイギク(秋明菊)】も
キンポウゲ科でアネモネの仲間。
つまりこれまたキクじゃないキク。

シュウメイギクの花(10月上旬)

シュウメイギクの花

或る時期の日本の植物学者たちは兎に角、姿がどこかキクに似ていれば
「ホニャララなキク」と名付けていたのではないか。
そう思えるくらい日本人にとってキクは馴染みのある花なのだなぁ。

逆に、キク科なのにキクを名乗らない…

さて我が家の庭のキク科をちょっと調べてみると
【ユリオプスデージー】【ツワブキ】

どちらも花を見れば一目瞭然のキク科
といったところだが、こちらは逆に、キク科なのにキクを名乗っていない…⁈

そしてなんといっても長いつきあいのキク科が【カレープラント】である。

カレープラントの花

カレープラントの花。この花ではキク科とはイメージできない…

カレープラントがキク科だとは正直気づかなかった…
いっそカレーの香りがするキク→【カレーキク】と名付けて
園芸フリークの耳目を改めて集めてみては如何だろうか。

植物fan.TaiChi

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植物&庭園が大好きなサラリーマンガーデナー。植物たちの育て方を学び、第2の人生は手作りの庭で植物たちに囲まれて四季を感じながら過ごし、人生を終えたい。 さてその庭は、和庭か?イングリッシュガーデンか?場所は?日本?海外?…悪戦苦闘、ドタバタボタニカルライフに多少なりとも共感していただける方はぜひブログを御覧になってくださいませ。