もうすぐ出てくるコイツに要注意!バラゾウムシ(クロケシツブチョッキリ)

Last Updated on 2025年3月28日 by Taichi

シーズンのしょっぱなから、厄介なヤツです

バラゾウムシ(クロケシツブチョッキリ)

バラゾウムシ(クロケシツブチョッキリ)

バラゾウムシ、学術的にはクロケシツブチョッキリと呼ばれるこの小さなゾウムシは、バラ愛好家にとって悩ましい存在ですね。

クロケシツブチョッキリの名前の由来

まず、なぜこんなクロケシツブチョッキリなどという変な名前がついているのか?
クロケシツブチョッキリの名前の由来は、彼らの外見と行動に由来しています。

クロ(黒):
これは、彼らの体が黒っぽい色をしていることに由来します。

ケシツブ(芥子粒):
彼らの体が非常に小さく、芥子粒ほどの大きさであることに由来します。

チョッキリ:
これは、彼らが産卵のためにバラの蕾や新芽を切り落とす行動に由来します。彼らは、まるで何かを「ちょっきり」と切るかのように、蕾や新芽の根元を切り落とします。

つまり、クロケシツブチョッキリという名前は、「黒くて芥子粒のように小さい体で蕾や新芽をちょっきりと切り落とす」という、とんでもない害虫の特徴を表したものです。

バラゾウムシ(クロケシツブチョッキリ)の生態

特徴:
体長は3mmほどの小さな甲虫で、黒っぽい体と象の鼻のように長い口吻が特徴です。
ゾウムシの仲間は非常に多く、日本国内だけで1200種以上が確認されています。

活動時期:
4月から9月頃にかけて活動が活発になります。
特にバラの蕾や新芽が出始める4月中旬から6月中旬と、再び7月中旬から9月中旬に被害が多くなります。

食性:
成虫はバラの新芽や蕾、葉などを食害します。
幼虫は、成虫が産卵するために切り落とした蕾や新芽の中で育ち、それを餌とします。

繁殖:
雌の成虫は、バラの蕾や新芽に卵を産み付け、その根元を口吻で切り落とします。
切り落とされた蕾や新芽の中で孵化した幼虫は、それを食べて成長し、土中で蛹になります。



バラへの影響

被害:
バラゾウムシの成虫は、バラの新芽や蕾、葉に傷をつけ、成長を阻害します。
特に蕾を切り落とされると、開花が見込めなくなります。
折られた新芽は枯れてしまいます。

被害のサイン:
蕾や新芽が突然しおれて折れ曲がっている場合、バラゾウムシの被害が疑われます。
傷口が黒ずんでいることも特徴です。

バラゾウムシ(クロケシツブチョッキリ)対策

予防:
バラゾウムシの発生を抑えるためには、予防が重要です。
バラの蕾が出始めたら、定期的に殺虫剤を散布することが効果的です。
浸透移行性殺虫剤:
植物全体に成分が行き渡り、効果が持続します。
例:オルトラン、アドマイヤーなど

接触毒・食毒系殺虫剤:
直接虫に付着するか、虫が食べることによって効果を発揮します。
例:スミチオン、マラソンなど
天然成分系殺虫剤:
化学合成成分に抵抗がある場合に。
例:BT剤(バチルス・チューリンゲンシス)、ニームオイルなど
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農薬を使用する際は、製品のラベルをよく読み、希釈倍率や使用方法、使用回数を守ってください。
同じ薬剤を連続して使用すると、薬剤抵抗性がつくことがあるため、異なる種類の薬剤をローテーションで使用することが推奨されます。
オーガニックの害虫予防スプレー(例:ニームオイル、木酢液など)も、一定の効果が期待できます

バラゾウムシ予防のための農薬散布のタイミングは、バラの生育状況とバラゾウムシの活動時期を考慮することが重要です。具体的には、以下のタイミングでの散布がおすすめです。

1. バラの生育開始時(新芽が出始める頃)

バラゾウムシは、春に越冬から目覚め、新芽や蕾を求めて活動を開始します。
そのため、新芽が出始める頃に最初の散布を行うことで、初期の被害を抑えることができます。
この時期は、越冬した成虫を駆除することが目的となります。

2. 蕾が出始める頃

バラゾウムシは、蕾に産卵するため、蕾が出始める頃に再度散布を行うことが効果的です。
これにより、産卵による被害を最小限に抑えることができます。
この時期は、特に注意深く観察し、蕾に産卵痕がないか確認しましょう。

3. 開花後(必要に応じて)

開花後も、バラゾウムシの活動が続く場合があります。
被害が見られる場合は、再度散布を行うことを検討してください。
ただし、開花中は、ミツバチなどの受粉昆虫への影響を避けるため、農薬の使用はできるだけ控えめにするか、ミツバチへの影響が少ない薬剤を選ぶようにしましょう。




駆除:
枝を揺すってバラゾウムシを地面に落とし、捕獲して駆除します。
殺虫剤を使用する場合は、葉の裏側などにもしっかりと散布します。
被害にあった蕾や新芽は、卵が産み付けられている可能性があるので、取り除いて処分します。

重要なポイント

●バラゾウムシは、バラだけでなく、ノイバラやサルスベリなどにも被害を与えることがあります。
●早期発見、早期対処が被害を最小限に抑える鍵となります。
●薬剤を使用する際は、使用方法を守り、安全に注意してください。
●バラゾウムシの被害は、バラ愛好家にとっては本当に心が痛むものですが、彼らの生態を理解し、適切な対策を講じることで、美しいバラを守ることができます。

植物Fan.TaiChi

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植物&庭園が大好きなサラリーマンガーデナー。植物たちの育て方を学び、第2の人生は手作りの庭で植物たちに囲まれて四季を感じながら過ごし、人生を終えたい。 さてその庭は、和庭か?イングリッシュガーデンか?場所は?日本?海外?…悪戦苦闘、ドタバタボタニカルライフに多少なりとも共感していただける方はぜひブログを御覧になってくださいませ。