2022年殿堂入りのバラ【フラワーカーペット】が示す《持続可能なバラ》とは？

Last Updated on 2023年5月30日 by Taichi

３年に一度行われるバラの国際会議

コロナ禍で遅れること1年…2022年秋に開かれた第19回世界バラ会議アデレード大会

10月28日の開会式では、今回栄誉の殿堂入りした18代目の「殿堂入りのバラ」が発表されました！

モダンローズは
【フラワー・カーペット・ピンク】

オールドローズは
【コント・ドゥ・シャンボール】

が、選ばれました。
(画像はいづれも楽天)

殿堂入りのバラの選出基準は？

「世界中のどの環境でも育てやすい」
「国や性別を超えて誰が見ても美しいと感じる」
「たくさんの国で長く愛されている」

…厳しいといえば厳しいし、アバウトと言えばアバウトですね。
とにかく慎重かつ厳正な審査が行われていることでしょう。

殿堂入りのバラ【フラワーカーペット(ピンク)】とは

耐病性に優れ、管理が簡単なグランドカバーローズ、樹高が低めの修景バラです。

1988年ドイツの《ノアックローゼン》社の作出。
フラワーカーペットローズはシリーズ化され、もはやベストセラーのバラ。

バラ栽培で苦労するうどん粉病や黒星病などの病気にとても強く、薬剤散布などはほぼ必要なし。
乾燥にも強く春から秋まで小ぶりで愛らしい花をたくさん長期に渡って咲かせます。
世界的にも評価が高くこれまでにも国際的なバラの賞をいくつも受賞しています。

四季咲き性で次々と花が咲き、ブッシュ状になった株は美しく、庭植え、生垣、グランドカバーにもおすすめのバラです。

バラ【フラワーカーペット・ピンク】とは？

【和　名】フラワーカーペット・ピンク
【英　名】Flower Carpet Pink
【系　統】シュラブ
【花の大きさ】小輪（花径4～5cm位）
【花の色】カーマインピンク
【花の形】丸弁平咲き（半八重）
【香　り】微香
【咲き方】四季咲き
【樹　形】横張り性
【樹　高】0.6m 〜 0.8m
【作出国】ドイツ（ノアックローゼン）
【作出者】Werner Noack
【交配親】不明
【作出年】1988年
【病害虫】うどんこ病、黒点病に注意
【用　途】庭植え、鉢植え、寄せ植え、グランドカバー、生け垣など
【受賞歴】1990年ADR認証取得

作出者について

Werner Noac（ウェルナー・ノアック）氏 (1927～2022)は病気に強く育てやすいバラの作出に取り組んだドイツの育種家。1957年からバラ育種を始めたそうです。樹高60～80cmのアーチ型の樹形で、花径4cmほどのディープピンクの花を多数咲かせる「フラワーカーペット・ピンク」は氏の最高傑作の一つ。
世界でも最も厳格といわれるADR認証を1990年に取得し、現在も維持しています。
残念なことに2022年7月、受賞を知る前に亡くなり、今は2代目 Reinhard Noack氏が経営を引き継いているそうです。